第118回e4c-village協議会について
皆様、如何お過ごしでしょうか。ちょっとご無沙汰してしまいました。
今回は講演者選びに時間が掛かってしまいました。申し訳ありません。
早6月も半ば、全然梅雨らしくありません。
でも土日になると意地悪雨で運動会、ゴルフが延期になってしまいます。
ジメジメしていてもそれを吹っ飛ばして元気にいきましょう。
東日本大震災の傷跡はまだまだ深く残っていますが、人は動き出しています。
萎縮なんてしていられないのです。躍動こそ復活の要です。
さて、今回の協議会は、予告通り、「BOP(Base of the Pyramid)ビジネス」を取り上げます。
BOPビジネスとは、1998年にミシガン大学のC.K.プラハラード教授が提唱し始め、
世界人口の半数以上を占める低所得層(Base of the Pyramid 年収3000ドル以下)、
約40億人を対象とする、残された巨大市場でのビジネスのことをいいます。
5兆米ドルを超える市場規模といわれています。しかし相手は低所得者層ですから
単価は小さく、今までの商品やビジネスモデルをそのまま持ち込んでもビジネスは
成り立ちません。ここにビジネスとしての工夫が求められるのです。
どうしたらいいのでしょうか?
閑話休題。最初はBottom of the Pyramidといったらしいのですが、Bottomとは
失礼な、ということで最近ではBase of the Pyramidということになったとのことです。
話を元に戻して、最近の産業界、そしてメディアの論調は、
先進国市場の成長が止まり、日本でも人口減による内需の低減が言われるなか、
新たな成長を求めて海外、特に新興国に進出して行くことを強く求めています。
そんな中日本らしいといえば日本らしいのですが、とにかく国内の売上げ減を海外
で補おうと、よく考えもせずとりあえず新興国へ出て行く企業が後を絶ちません。
実はBOP人口の大部分はアジア・中東にいます。約30億人弱です。
中国、インドがまた特に割合が多い。だから今のところBOPというと中国、インド、
中東、そしてプラスアフリカあたりになります。
結局、前回、前々回で取り上げた「グローバル人材」と根は同じなのです。
物事をちゃんと考えずに横並びで新興国に出て行こうとする。
だから発想は物まねで、工夫もなく、成果が出ないで戻ってきてしまう。
売上げの穴埋めをするために来られた国はたまりません。
ユニリ-バが「小分け」で洗剤を売るといえば同じように考えて、
「小分け」ビジネスを持っていこうとする。あまり芸はありません。
しかしちゃんと考えて進めている企業、NPO、個人もいますから、
その人たちの名誉のためにも、e4c協議会では本来の活動を行なっている方々から
お話を伺おうと思ったわけです。
さて、”本来の活動”といいました。といいますのは、BOPビジネスは、
一方で貧困の撲滅、衛生・健康・医療の充実向上、教育の充実など、
新興国の社会課題を同時に解決するという志、理念の側面もあるからです。
売上げのためだけに来られても迷惑なだけです。
しかし慈善事業では持続性に問題が発生するケースが多い。
ビジネスにすることで事業継続という課題を同時に解決することが考えられたわけです。
ここにBOP ビジネスの難しさもあります。きれいごとの理念だけでは、
提供する側も、提供される側も共倒れになってしまうかもしれません。
そこに強かなビジネスマインドも必要なのです。
何人かの人に相談に乗ってもらいました。
今回は、リコーの瀬川さんにすっかりお世話になりました。
瀬川さんも積極的にBOP ビジネスに関わり、リコーとして進めています。
「一粒で何度も美味しい。BOPビジネスはそうでなければ続かない!」
あっけらかんと笑って言い切るところに実際にやっている人の強さがあります。
今回の協議会は、実際にはその瀬川さんのグループの中本さん、赤堀さんに
動いていただきました。
いつものように3人の講演者にお話を伺います。先ずお一人は総論、全体像のお話です。
独立行政法人 国際協力機構、通称JICA(ジャイカ)の山田様にお話を伺います。
あとのお二人は、具体的なBOPビジネスの取り組みをお話していただきます。
お一人は、リコーの中本さんです。
もう一人は交渉中です。決まりましたら即ご案内いたします。
さて、今回も、「がんばろう!日本」
BOPビジネスも、留め得ない時代の流れであり、挑戦です。
正しい認識を持って、勇気を持って実行実践していきましょう。
是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!
株式会社イーフォーシーリンク 横野 滋
株式会社イーフォーシーリンク 横野 滋