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第128回e4c-village協議会 報告

横野からのメッセージ <5月17日版> 

皆様、お元気にお過ごしのことと思います。
風薫る5月です。昨日今日と汗ばむほどの陽気です。新緑が山々をまだらに染めて
います。過ごしやすい季節になりました。外に出て運動するにもいい季節です。
最近は新入生や新入社員に5月病はあるのでしょうか。初夏に向かう中心身ともに
調子を整えておきましょう。勝負のときも時無しに訪れます。

さて、第128回協議会のご案内を差し上げます。
今回は「日本の成長戦略」を取り上げます。

このところ世界情勢は予断を許さない事象が続いています。
ヨーロッパは政治状況が不安の種になっています。ギリシャやフランスで起きて
いることは基本的に人々の緊縮財政疲れです。その経済的な影響はアジア、日本にも
波及してきています。中国でも薄氏問題は意外に大きな足枷になってきているようで、
指導層の交代に微妙な力関係を惹起しているように見えます。
アメリカも燻っています。JPモルガン・チェースが何かのきっかけになるかもしれません。
日本国内はもっと大変です。原発とか消費税がいろいろ言われても六重苦の産業界
には余り良いニュースはありそうもありません。

そういう状況の中とはいえ、日本企業の動きに最近は何か変な感じがするのです。
今ソニーとパナソニックが提携するというニュースが大々的に取り上げられています。
でもそんなことは私がソニーにいたときからよくあったことです。めずらしいことでは
ありません。日立とも、東芝とも、シャープとも、日本の電機業界は、競争するところは
競争し、標準化やOEMではちゃんと組んでいました。何で今更ソニーとパナの提携が
大ニュースになるのでしょう。それは多分日本の電機業界自体が国際的に再編されて
いくことが暗黙に問われているからです。業界再編は確かにビジネス的にも産業論
としても重要なポイントです。でも私が変だと感じるのは、出てくるのは当たり前の
論理的推定や帰結だけで、事業を生み出すパッションが感じられない点です。
ソニーとパナが提携する意味が分かっても、有機ELのビジネスにどういうビジョンを持って
いるのか分かりません。事業には、合理的な経営も必要ですが、夢もあるのです。
TVビジネスの状況を見ていて、勝者のサムソンに夢を感じますか。

ある企業が液晶に勝てないから電子ペーパーの事業から撤退するとありました。
経営的に、論理は正しい、と思っても、そんな競合関係は過去に五万とありました。
シリコンに勝てないと言ってガリウム砒素がなくなるということはありませんでした。
つまり基本的にそんな撤退の理由なんてないのです。本当の事業家には。

今回、「日本の成長戦略」を取り上げますが、日本の持つ技術力、競争力が本来の力を
発揮していないのではないかという思いがあります。ひとつはその検証もあります。

今回このテーマをこの時期に取り上げたのは、経産省の角野課長のおかげです。
実は別件でお話を伺いに行ったのですが、途中で現在審議していらっしゃる
新産業構造部会の話しになりました。サブタイトルは「~「やせ我慢」から「価値創造」へ~」。
中身は日本の成長戦略の話です。今本当に日本が必要としている課題と解です。
5月以降なら話ができるということで、是非にとお願いいたしました。

さて次にそれをどう実現するのか。どこかに書いてあったのですが、国の成長戦略政策は
実現率10数%ということらしい。何が障害なのか、阻害要因は何か?これを先入観の
無い目で語れる人はいないか?経産省の別の友人が示唆してくれました。
ウィリアム齋藤さん。日系三世のアメリカ人で、ベンチャー企業家であると同時に、
今はキャピタリストでもあります。ひょんなことから昔アメリカで知り合いました。
当時はセキュリティ関連のベンチャーの社長だったと記憶しています。今は日本に
定住して、大学で教えたり、政府の委員をしたり、NHKに出たり、しています。
今回久し振りにお会いしてお願いしたところ快諾してくれました。

最後は事例の話が欲しいと思っていました。折り良くパナソニックの友人が急に訪ねて
きました。会ったとたんに開口一番、「横野さんはダヴィンチ知っている?」。
ダヴィンチは手術支援ロボットです。アメリカ産です。彼が言いたかったのは、
国産できるのにしていない現実です。ヘルスケア・医療・介護は成長戦略の一分野です。
そこに十分な投資、支援が行われていないのではないか。多分他の成長戦略重点分野
でも不整合なことが起きているのではないか? そこで講演者を相談したところ
パナソニックヘルスケアのCTOの岡崎氏にお願いすることになりました。
岡崎さんも元をただせば、光ディスク時代の同士です。おかげで快諾していただきました。

今回はこの3部構成で行きます。
大震災にめげず、復興・復旧を超えて、新たな成長戦略に取り組んで行きたいと思います。
皆さんが持っている材料はきっと活きます。それをさらにグローバルに持っていく。
今年も、今年度も世界中に夢を与える商品、ビジネスを目指して挑戦していきましょう。

是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!!

               株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋

株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋