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第150回e4c-village協議会 案内

皆様、お元気にお過ごしのことと思います。

梅雨も明け、暑い毎日がやってきました。そして今年もまた大雨大災害です。
どうも地球の気候が変わったとしか思えません。広島には5年前も大きな被害が
ありました。九州も大変です。北海道には梅雨がない、とは昔の話です。
根本的な対策が必要になってきたように思えます。こういうところにも我々の
知恵をぜひ生かしていきたいと思います。科学技術は何のためにあるのか、
産業やビジネスは何のためにあるのか、大いに考えなくてはなりませんね!

さて、今回は、開催日程のお知らせをとりあえずお送りしましたが、
メディカル・ヘルスケア特集をお届けします。これもまた人々の生活に関わる
重要なテーマです。ここ数年、e4cにも、私個人にも、メディカル・ヘルスケア関係の
話や相談が来るようになりました。メインはもちろんビジネスの話ですが、私自身が
大病をしたことがこのテーマに関わりやすい状態を作っていたのかもしれません。
でも基本は時代です。いろんな業種で関わりある製品やサービスが始まっています。
電機業界やIT業界はいち早くビジネスに参入しています。ウェアラブルのリスト
バンドに心拍数計や活動度計を入れて、運動量や睡眠量、その質を計測して
日々の健康指数を知らせたりしています。データはクラウドに蓄積します。
今や業界は完全に縦割りではなくなりました。病院のX線などの画像データは
データセンターに格納されています。メディカル・ヘルスケア分野は業際的に
なってきています。ついでに言えばグローバル化も進んでいるのです。
今回はその中から基本的な動きと、トピックスを2つご紹介したいと思います。
この特集も1回では終わりそうもありません。第2回、第3回と続いていくことでしょう。

まず基本的な動きは、公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター(PHRF)
の浜崎さんからお話を伺います。医療の領域の本流の話です。
浜崎さんは、ご自身のプロフィールにもありますが、
私が出会ったのは彼が日本HPにいらした時です。2001年頃でしょうか。
ちょうどフィオリーナさんがHPのCEOをなさっていた時です。HP自体が新しい
地域医療システムをビジョンとして掲げていました。「Always on Internet」です。
ITで世界から貧困をなくそうと言っていました。そんな時に浜崎さんと
新しいヘルスケアビジネスを検討していたのです。時は流れて、浜崎さんは
HPを辞め、自分で健康ベンチャーを興し、沖縄に行ったりしていました。
3年前くらいに久し振りに電話をするといつの間にか東京に戻っていて、
今のパブリックヘルスリサーチセンター(PHRF)にいるというのです。
ここからまた密な付き合いが再開します。新規ビジネスの探索です。
いろいろな会社に行っては話を聞きました。この辺りのところはまた
ご紹介したいと思います。今回はPHRFに絡んで健康・医療・介護の分野での
状況、課題、展望などを話していただきます。発病の予測、重症化のプロセス
なども現在の課題です。ITやAIなどの新しい情報技術を使って、人々の
健康寿命を延ばしたり、QOLを向上させることなども検討しているようです。
医療・ヘルスケア分野での種々多彩な連携が始まろうとしています。

次は株式会社KSOの小森会長にお話を伺います。小森さんとは3年前に
友人の紹介でお会いしました。私には初めて聞くビジネスをやっている会社です。
小森さんは創業者です。この会社は、特保食品の臨床試験を請け負っています。
特保の認証を得るためのエビデンスをつかむ試験です。薬の治験に似ていますが、
内容はちょっと違います。被験者が人間であることは同じです。効果測定は血液検査
などで行います。ここにも人間の健康に関わる多種多様な因子と効果があります。
被験者は何万人と登録されていますが、この中から目的と種類に応じて最適な被験者
が選ばれます。被験者の募集・登録・管理にはもちろんIT技術が使われています。
実はここでも被験者グループから学んだ新しい健康ビジネスが生まれつつあります。
健康になるためには時に人は生活習慣を変える行動変容が要求されます。
今回はそこまでの話ではなく、現在のビジネスについて教えていただきます。
将来繋がってくる予感があるからです。

最後は、人工知能ではない「Ai」の話です。この「Ai」はAutopsy imagingの略です。
画像診断装置を用いた死体検案です。死亡時画像病理診断と言われます。
このことを知ったのは2年前です。Aiがなかなかビジネスにならないのでちょっと
話を聞いてあげてほしいと友人から言われたのです。私も知りませんでした。
そこで今回お話をしていただく山本先生にお会いしました。団体名は、一般財団法人
Ai情報センターです。CTなどの画像診断装置は世界の30%が日本にあるそうです。
それでこれは日本ならではビジネスなのだそうです。なかなか普及が難しいそう
なのですが、ただメリットは大きくあります。死体検案はよく聞くのは解剖です。
世界の主流も解剖です。ただ日本では死因究明に解剖が使われるのは死者数の
数%らしいのです。ほとんどは本当の死因究明はされていないのと同じです。
Aiは画像診断ですから比較的簡単に検査できます。DVなどの外傷や物理的な
変形の場合はすぐわかります。料金も比較的安くなるはずです。これが普及すれば
介護施設の暴行の抑止力になるかもしれません。お聞きすると他にも応用は
ありそうで、最近の災害での犠牲者の個人特定も傷を残さずできそうです。
このビジネスも実は医工連携だけでなく、情報技術との連携など広がりがあります。
Aiはこれから広く普及していきます。皆さんにはこういう世界もあることを知って
いただいて、将来の連携の一つに入れていただければと思います。ちなみに最近
テレビで放送していたドラマ『ブラックペアン』の原作者、海堂尊氏はこのAiを
普及させることを動機に小説家になったそうです。そういえば画像診断装置が
よく出てきます。千葉大の医学部が母体のようです。

今回は耳慣れない新しいトピックスの紹介です。でもこれからの新しい連携が
新しい価値を創造します。ぜひ、自分ならどうするか、何ができるか、を考えて、
提案をしてみてください。懇親会での更なる交流も今回は大事かもしれません。

今回も是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!!

株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋