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第115回e4c-village協議会 報告

第115回e4c-village協議会について


皆様、お元気にお過ごしのことと思います。
時の流れは疾く、早2月です。一年の12分の1が過ぎました。
日も長くなってきました。愚図愚図している訳には行きませんが、
インフルエンザもはやっているようです。
体調に気をつけて、今年こそ日本の存在感を高めていきましょう。

さて、今回の協議会は、昨年から延期していた「電子書籍」を取り上げます。

昨年は「電子書籍元年」と言われていましたが、実感としてはどうもそれほど
ではなかったようです。日本でもアマゾンのKindleやアップルのiPad、ソニー
のリーダーなどの電子端末が華々しく賑わいました。しかしアメリカほどには
電子端末を使った読書は普及しなかったのではないでしょうか。
どうも華々しい電子端末に目を奪われすぎています。
電子書籍の本質は別のところにあるのではないでしょうか。
そもそも書籍といい、本といい、本質は「知の伝達」であり、「知の大衆化」で
あるはずです。グーテンベルクの印刷技術の発明は、特権階級に専有不出に
されていた「知識」や「知恵」を広く多くの人々に解放し、人類の知恵の蓄積と
更なる創出を生み出す社会的基盤を作りました。
同じように「知の電子化」はさらに「知の伝達」に拍車をかけるはずです。
何故なら物理的に制約された書籍を越えて、電子版はさらに広く、深く世界の
人々に浸み渡っていくことができるからです。
翻って考えてみれば、この「知の伝達」に一番の意味があるとすれば、
その出口であるメディアとしての形は二次的な意味しかないことが分かります。
しかし出口がなければ電子化の意味もありませんから、二次的だということは、
人々に届けば形は何でもいいということになります。本のような紙でもいいし、
オーディオブックのように音でも良く、電子端末でもいいということです。

今回は、「電子化された知」を中心に、出版・流通がどう変わっていくのかを
検証してみたいと思います。
電子書籍を扇情的に書いている評論家やジャーナリストに惑わされることなく、
出版・流通の現状と今後の展開を冷静に考えてみたいと思います。

東京電機大学出版局の植村氏は、この分野の第一人者で、
行政・民間を含め広く活躍さています。
電子出版、電子書籍を含む出版・流通の全体像をお話いただきます。
本の文化をメディア論から展開するお話には説得力があります。

電子出版製作・流通協議会の川崎氏には、
電子化の現状、方向性、前提となる考え方などを中心にお話を伺います。
電子化は単に電子端末に適用されるフォーマットの議論だけではありません。
場合によってはオンデマンドプリンティングのように紙に印刷することも考えて
おかなくてはなりません。中間フォーマット、トランスコーディングが重要になる所以です。

最後に編集の話にも触れたいと思います。
電子出版が可能になれば、個人の自費出版も従来とは様相を異にしてきます。
編集は不要になるのでしょうか。否、事はそんなに簡単ではありません。
本は書けば読んでもらえる、というものではありません。
もちろん個人が勝手に上梓することは可能です。
しかし読んでもらえるためには編集者の並々ならぬ技術ノーハウがいるのです。
電子化が活字だけではない書籍を生み出すことも容易に推測できます。
編集については、ご経験豊かな、(株)アテナ・ブレインズの福田氏にお話を伺います。
代表例として梅田望夫氏「ウェブ進化論」の編集者です。

今年も激動の時代のトピックスを取り上げていきます。
変化の意味を先取りし、果敢に実行に移していきたいと思います。
時代は常に正確に時代を読み、実行に移したかどうかで明暗を分けていきます。
新しい可能性には積極的に挑戦してみましょう。

是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!!

株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋